緩和ケア病棟であるホスピスは、心身の痛みや苦痛を和らげるのが専門の病棟です。
この入院費用もマルメといって、パック料金のようになっています。
30日以内の入院は、一日4万8000円という価格設定で、保険診療なので、1割から3割負担です。
そして、入院中に行われた検査や薬代などもすべて、この金額の中に含まれています。
モルヒネなどの医療用麻薬もマルメになりますが、値段が高く、一日分でモルヒネだけで2万円にのぼることもあります。
つまり病院側からすると、モルヒネを打てば打つほど赤字になってしまうわけです。
痛みを緩和することが目的でモルヒネを使うのに、赤字になってしまう、そんな矛盾を感じながら、医療麻薬を使わないようにしているところも多いです。
一方、診療所では、受けたサービスに応じて、その分を支払う方式です。
そのため、赤字になることはないので、希望している医療をフルに提供することができます。
病院が意地悪で診療所が親切ということではなく、出来高とマルメという制度上の差から生まれるものになります。